鷹の鉄腕が腕をぶしている。ソフトバンクの守護神・森唯斗投手(29)が気迫の急ピッチ調整で復活に向かっている。今季の森は利き腕とは逆の左ヒジにできた腫れに苦しんだ。4月30日に左ヒジ関節の化膿性滑液包炎と診断されて戦線離脱。手術、2度の入院生活を送るなどリハビリを余儀なくされてきた。そんな中で21日のウエスタン・阪神戦(筑後)で、およそ4か月ぶりの実戦復帰を果たすとペースが加速してきた。

 今週は二軍の名古屋、大阪遠征6連戦に帯同中。25日の中日戦(ナゴヤ球場)に登板し1回無安打に抑えた。さらに来週は週頭に二軍戦がないことから、わざわざ三軍の四国遠征に出向き、31日、9月1日の独立リーグ・香川戦(レグザム=香川)で連投テストをする予定だという。

 主力が調整のため四国遠征にまで帯同するケースはまれ。9月3日からは敵地とはいえ広島二軍との3連戦も控えているが、一刻も早い復帰を目指す本人の意思を尊重した形だ。「気持ちの強いタイプの投手で、自分の立場、チームの状況も踏まえて、1日でも早く帰らないといけないという思いを人の何倍も持っているのが森。(再発などもなく)順調にいけば復帰の時期は早いと思う」(チームスタッフ)。

 ルーキー時代から7年連続で50試合以上を投げており、家業が漁師とあって自らを24時間泳ぎ続ける魚・マグロにもたとえる森。直近2カードは9回に登板した岩崎、板東が3度の救援失敗で2勝3敗1分けと負け越した。現時点で残り45試合。“鷹のマグロ守護神”がラストスパートで泳ぎまくる準備を進めている。