鳥谷「メジャー行き破談のウラ」 ネックになった代理人とブルージェイズの確執

2015年01月11日 07時30分

 阪神から海外FA権を行使していた鳥谷敬内野手(33)が残留を決断した。一時はブルージェイズが有力な移籍先ともみられていたが、メジャー関係者からは交渉を剛腕代理人に託したことが裏目に出たと指摘されている。

 メジャー挑戦を断念して阪神残留を決めた鳥谷に、米球界から同情の声が湧き起こっている。最も獲得に熱心だったブルージェイズと鳥谷の代理人を務めたスコット・ボラス氏(62)の“微妙な関係”が破談の原因とみられているからだ。

「ボラス氏でなければ、ブルージェイズとの契約はまとまっていた可能性は高い」と指摘するのはア・リーグ某球団のスカウトだ。メジャー各球団と太いパイプを築いているボラス氏は、多くの顧客を抱える屈指の敏腕代理人として広く知られる。一方で、高額契約を勝ち取ろうとする強硬な交渉術に警戒心を募らせる球団も少なくない。中でも緊縮財政をモットーとするアスレチックスとブルージェイズが、以前から「ボラス氏嫌い」であるのはメジャー関係者の間では有名な話だ。その証拠に両軍とも同氏の顧客選手は一人も所属していない。

「一昨年のWBCからブルージェイズの編成担当者は鳥谷を獲得しようと、どこよりも熱心に密着マークを続けていたが、彼がFA後にボラス氏と代理人契約を結んで顔をしかめたと聞く。“よりによって…”という心境だったようだ」(前出のスカウト)

 近年メジャーで問題視されている契約条件の高騰を避けたい同球団は、2008年から所属選手の契約を最長5年とするリミットを設けている。これに対して、ボラス氏が昨年12月のウインターミーティングで「才能ある選手との関係を絶とうとする愚行」と批判したことも、同球団側の神経を逆なでしてしまったようだ。

「ブルージェイズが鳥谷にオファーを出したとの報道も一部であったが、ボラス氏との話し合いは基本的に平行線だった。鳥谷にとってアンラッキーだったのは、両者が実は犬猿の仲であったこと」とは別のメジャー関係者。この無念は、阪神の一員としてグラウンドで晴らすしかない。