背番号「10」が初陣を迎えた。日本ハムから巨人に電撃移籍した中田翔内野手(32)が21日に一軍登録され、同日行われたDeNA戦(東京ドーム)に6回から代打で途中出場。この日は1打数無安打、1四球に終わった。試合は2―7で連敗を喫した。

 亀井の同点適時打により1―1と試合を振り出しに戻した6回、なおも無死一、二塁とチャンスの場面で、原監督は「代打・中田」を伝達。場内にも中田の名前がアナウンスされると、スタンドからは割れんばかりの歓声が沸き起こり、古巣時の背番号「6」のユニフォームを掲げる女性ファンの姿すらも見られた。

 日本ハム時代から使用し、代名詞でもある登場曲・ビーグルクルーの「My HERO」が流れる中、ゆったりと打席に立った中田は、これまでと変わらずどっしりとした構えで砂田と対峙。スタンドからは一発に期待する声も飛んだが、勝負はさせてもらえず、ストレートの四球で出塁となった。

 その後は一塁の守備に就くと、5点ビハインドの9回には2打席目を迎えた中田。先頭打者として打席に入ると、伊勢の投じた6球目・スライダーを力強くヒッティング。打球は中堅方向へ飛んで行ったが、あえなく中飛に終わった。大量点差ということもあり、中田の打席が終わるとスタンドのファンの2割ほどが帰り始めるなど、新戦力の打席がいかに注目されていたかが如実に表れていた。

 試合後、中田は「一からという気持ちで、明日からしっかりとやっていきたいです」と淡々とコメント。これに原監督は「色々な意味で落ち着きをさらに増すでしょうね」と今後に期待を寄せた。

 誰もが驚いた電撃トレード。〝快音〟でファンの声援に応えたいところだ。