2014年シーズンに自身5度目の本塁打王に輝いた西武・中村剛也内野手(31)が、やんわりと侍ジャパンの4番就任を“辞退”している。

 昨季は故障による序盤の出遅れがありながら、111試合出場で34本塁打と同僚・メヒアとともにキングを分け合った。しかし、「タイトルは取れましたけどちょっと本数が少ないんで恥ずかしい」と言うように5度の本塁打王の中で2番目に少ない本数でのタイトル獲得に不本意な心中を語っていた。

 このオフに右肘軟骨除去手術を行い、万全の状態でプロ14年目のシーズンに向かう中村だが、その実績と周囲の誰もが認める格に見合っていないものが一つだけある。「なぜ、おかわりが侍ジャパンの4番でないのか?」という疑問だ。

 現在、侍の4番は母校・大阪桐蔭の後輩である日本ハム・中田翔内野手(25)の定位置。2017年の第4回WBCに向け小久保監督も「ボクが率いている間の中心選手」と動かすつもりはない。

 しかし、昨季初タイトル(打点王)を獲得したばかりの中田に対し、本塁打王5回、打点王2回の中村は実績だけを見ても明らかに格上。もし体の状態さえ万全で17年WBCのメンバーに選出されれば、中田でさえもその存在感に敬意を表し4番を明け渡す他ないスラッガーだ。

 ところが、中村本人のこだわりはそこにはない。「別にあまり興味はないですね。2年後にどういう状態でいられるか分からないですし、そもそも日の丸を背負ってプレーしたのは12年の(東日本大震災復興支援試合で)台湾と試合をした一度だけ。(ジャパン選出に)あまり縁がないですし、もし選ばれたとしても(4番には)こだわりはない」

 中村の意思を聞く限り…。中田の侍4番は安泰か。