阪神首位ターンの立役者を直撃<前編> 井上一樹ヘッドコーチ「施されたら、施し返せ」

2021年07月30日 06時15分

阪神躍進を支える井上ヘッドコーチ

 16年ぶりのリーグVを目指す阪神。就任3年目の矢野燿大監督(52)のもとで今季からヘッドコーチに昇格した井上一樹コーチ(50)を、躍進の陰の立役者と高く評価する声が日に日に増している。そんな猛虎変革に携わる参謀が13年ぶりの前半戦首位ターン、理想のコーチ像、怪物新人・佐藤輝明のことまで激白。貴重な〝本音〟インタビューを前後編でお届けする。


 ――貯金15の首位で終えた前半戦の手応えは

 井上ヘッドコーチ(以下、井上ヘッド)貯金15って言うけども、追われる立場と、追う立場のどっちが楽かって、やっぱり追う方が楽。本当の貯金は(巨人との)2ゲーム差で言うところの貯金4だと思いますね。

 ――そうとりますか

 井上ヘッド 前半戦でも選手にはそう言ってましたね。貯金15、16のときにも『ウカウカしていたら、すぐなくなるぞ』って。ウチは開幕から、ずっと突っ走ってきた。前半の最後のほうに、ほかの球団よりも早くシーズンの疲れが出ちゃったっていうふうに思えば。この五輪ブレークで息を吹き返すっていう意味で、ちょうどいいタイミング。前半戦が全体的にどうだったか、と言われれば、みんなよく頑張りましたから。

 ――阪神に来て2年目。昨年の打撃担当から今季はヘッドに。変えた部分は

 井上ヘッド 矢野監督の相談役っていう意味合いも含めれば、そんなに変わらないかなと。ヘッドって聞くと、厳格で眉間にしわ寄せてっていうイメージだけど『井上、変わっちゃったわ~』ってことは多分ないかと(笑い)。

 ――理想のヘッドコーチ像は? 評論家時代には島野育夫(故人)さんの名前を挙げていましたが

 井上ヘッド 意識してますね。鬼面で顔も怖かった(笑い)。気の抜けたプレーしたときなんかは、本当に目ん玉が飛び出るぐらいの勢いでボクも怒られました。けど、ユニホーム脱いだ食事会場であったり、普段の接し方はすごく温かみのある人。選手時代の僕もすごく救われましたし、自分がそういう立場になったら、この人をお手本としていきたいと思っていたので。施されたら、施し返せじゃないですけど、今の選手たちにもやり続けたいと。

 ――今年から投手しかいない月曜の練習にも顔を出している。投手陣とも意思疎通を図る機会は意識して増やしている

 井上ヘッド さりげなくね(笑い)。まあ、世間話だよ。青柳、西勇、秋山とか先発陣が多くいるときに、普段、話せないような話をしたり、親交を深める。どちらかと言えば今も、野手ばかり見ている立場だけど、やはり投手陣にも声をかけられるのであればって思っていたのでね。

=つづく=

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