中日・栗原健太打撃コーチ(39)が、打撃不振にあえぐ高橋周平内野手(27)に〝思考停止指令〟を出した。

 昨季は3年連続規定打席に到達し、9年目にして自身初となる打率3割(3割5厘)をマークした高橋周だが、今季は前半戦を終えて打率2割5分4厘はリーグ24位、得点圏打率2割3厘は規定打席以上で同ワースト、併殺打11は同2位タイと低迷。東京五輪で後半戦再開まで約1か月の中断期間があるが、栗原コーチは「この期間にリフレッシュというか、切り替えて」と強調した上で「バットを持つな!」「考えるな!」と説いた。

「僕も現役時代にあまりにも悪かったらバットを置いて、ランニングをしたり、守備を受けたり、違うことをして考えないようにしていた。バットを持つと、明日どうしようかなと考えてしまい、余計に振ったりしてしまうもの」(栗原コーチ)と明かす。

 自身も現役時代の打撃不振の際、周囲からさまざまな指導を受けすぎて、体が動かなくなったことを吐露。「理想があって、そこに持って行こうと、いろんなことをやるけど、できなかった。ずっとおかしいような状態なので。それだったら考えない。『1回何も考えずにやってみたら』と言われて、その意味が全然分からず『無理だろ!』みたいにそのときは思っていた。でも、現役を引退して指導者になってみて『あー、あのとき言っていたのはこんな感じなのかな』と。いいイメージが湧いたら振る。何でもいいので、それまでいろんな違うことをやってみては」と力説する。

 後半戦でチームが巻き返すためにもキャプテンの打棒復活は不可欠。栗原コーチが「練習を見てもそんなに悪いとは思っていない。気持ち的なところが大きいのかな」と指摘するように、高橋周はバットを振らない調整日を設けて、後半戦では何も考えずに打席に立った方が好結果が出るかもしれない。