前半戦の悪い流れを断ち切れたか。西武は14日のロッテ戦(メットライフ)を呉念庭内野手(28)、中村剛也内野手(37)、山川穂高内野手(29)の一発攻勢で8―3で勝利。前半戦を白星で終えた。

 3回、中村の右適時二塁打で先制。続く二死一、三塁の好機で、今季ブレークを果たし、オールスターにも初選出された6年目・呉が右翼へ7号3ランを放った。オリックス・吉田正に次ぐリーグ2位の得点圏打率4割2厘の男がまたも勝負強さを発揮した。

 4点を先制も先発・高橋が4回に捕まり1点差に。打線はロッテ中継ぎ陣に苦しめられたが、打ち破ったのは〝アーチスト〟中村のバットだった。

 中村は7回二死二塁、5番手・ハーマンの真ん中付近の直球を一振り。打球は美しい放物線を描き、左翼席最上段に飛び込む中押しの9号2ラン。さらに8回には前半戦不振に苦しんだ山川がダメ押しの13号2ランを放ち勝負あり。

 試合後、辻発彦監督(62)は前半戦について「一言で言ったら苦しかったね。やりくりが大変すぎて本当に打線を固定して組めなくて、主力があれだけ抜けると、ましてや二遊間がいなくなったりね」と苦しい心境を明かした。

 しかし、その中でチャンスを掴んだ若手を岸や愛斗の名を挙げてたたえ、さらにこの日一発を放った呉には「踏ん張っているチームを支えてくれた功労者だと思っているし、非常に成長した」と褒めちぎった。

 チームは借金5で5位。厳しい戦いとなったが、明るい材料も見つかった。