ロッテのブランドン・レアード内野手(33)が東京五輪を目前に控え、不気味な活躍を続けている。

 来日7年目のすし好き助っ人は、昨季受けた椎間板ヘルニアの手術の影響もあってか、シーズン序盤は打率2割前後と低迷した。ところが5月に入ると本来の打撃を取り戻し、5月だけでリーグトップとなる計9本塁打、23打点をマーク。その後も、一時打率を3割に乗せるなど安定した活躍を見せている。この好調の要因を本人は「辛抱強く自分の打てる球を打つ。それがいい結果につながっていると思う」と話しているが、やはり最大の理由は腰痛の完治だろう。

 逆転本塁打を放った7日のソフトバンク戦後も「腰がどうかなというのが(今は)まったくないので。しっかり準備をしてトレーニングもしている。この先もシーズンを乗り越えられると思う」と笑顔で自信をのぞかせていた。後半戦に首位奪取を狙うロッテにとっては頼もしい存在であることは間違いない。

 だが、このレアードの復活、東京五輪で悲願の金メダルを狙う侍ジャパンにとっては喜べる話ではない。レアードは日本がオープニングラウンド2試合目に対戦するメキシコ代表の中心選手だからだ。

 ドミニカ共和国、メキシコと同組(グループA)の日本代表は、まず28日に福島でドミニカ共和国と対戦。3日後の31日に横浜スタジアムでメキシコを迎え撃つ。対戦する両チームはともに強豪で、仮に日本が初戦を落とせばメキシコ戦は大きなな重圧の中での一戦となる。その対戦相手の中に絶好調かつ日本を熟知したレアードが君臨すれば、日本代表にとってこれ以上の脅威はない。活躍次第では日本がレアードに引導を渡される可能性もあるわけで…。代表関係者も「ライバル国のどの強打者より警戒している」とし、こう続けた。

「今回の東京五輪は複雑な対戦方式のため、仮に日本がオープニングラウンドを連敗しても次ステージに進出はできる。ただそうなった場合、金メダルは相当厳しくなる。最初の2戦は最低でも1勝1敗で乗り切りたいが、レアードが今の状態ではメキシコも侮れないですから。本当に怖い存在です」

 13日の西武戦(メットライフ)でも第1打席に右中間へ適時二塁打を放つなど状態の良さをアピールしたレアード。日本は万全の対策で勢いを止めることができるのか。