狙いは外野手か――。セ・リーグ2位の巨人が新戦力の獲得に本腰を入れそうだ。これまでにも投手と野手、国内外を問わず幅広く調査は続けられてきたが、ハッキリしなかったのが補強ポイントだった。ただ、球団側は菅野智之投手(31)と中川皓太投手(27)を欠く投手陣の奮闘ぶりを高く評価。野手では梶谷隆幸外野手(32)が右手の骨折で長期離脱が確実となり、球団内が一気に慌ただしくなりそうだ。 

 最後の最後まで懸案が残された。10日に死球を受けた梶谷は無情にも「右第3中手骨骨幹部骨折」との診断。11日の阪神戦(甲子園)では梶谷の定位置だった右翼は松原、左翼で亀井がスタメン出場した。13日からの前半戦最後のヤクルト2連戦(東京ドーム)に向け、原辰徳監督(62)は12日に「ナカジ(中島)をファーストで、ウィーラーを(一塁から)レフトでというのもあるね」とベテラン勢の力も結集する構想を明かした。

 今回の梶谷の離脱が決定打となり、球団フロントが外野手補強にかじを切る公算が高まってきた。もちろん、梶谷の復帰が想定以上に長期化した場合への備えもあるが、前半戦の投手陣の奮闘ぶりを高く評価する声が相次いでいるためだ。

 球団スタッフからは「投手陣もまだ苦しいけれども、エースがああいう状態の中で先発陣もよく踏ん張った」「リリーフ陣も流動的だったけど、新しい力も出てきた」などとたたえられている。

 今季はエース菅野が、4度も抹消となるなど絶不調。なかなか大黒柱が機能しない状態でも、開幕6番手だった高橋がハーラートップの9勝、次期エース候補の戸郷も8勝をマークしている。

 救援陣でもリリーフエースの中川が本調子を取り戻せないまま、6月下旬に「左肋骨骨折」が判明して離脱。守護神のデラロサも本調子にないが、23試合連続無失点中のビエイラが9セーブ、変則左腕の大江も20試合連続で無失点の投球を続けている。

 そうした投打の状況も踏まえ、球団関係者は「大きなケガだけでなく新型コロナへの備えもある。菅野も中川も中断期間中に戻って来られるだろう。後半戦への補強ポイントが投手か野手かとなれば、何か起きた時にはウチは野手の方が足りない。レギュラーを張れる選手が十分とは言えないしね。(新戦力を)見極めていくことになるはず」と語った。

 今季の補強期限は8月いっぱいまで。シーズン後半戦がスタートする8月13日には、新顔野手が戦列に加わっているかもしれない。