勝利を呼び込んだワンプレーは――。巨人は前半戦大一番の11日の阪神戦(甲子園)を1―0制し、2勝1敗でカード勝ち越し。1・5ゲーム差まで迫った。

 巨人・高橋、阪神・西勇がどちらも7回無失点。巨人は8回、先頭・亀井が右越え二塁打で出塁し、北村が初球で犠打を決めた。一死三塁から大城が左前適時打を放ち均衡を破り、これが貴重な決勝点となった。

 試合後、原辰徳監督(62)は「あのツーベースっていうのはね、もちろん打った亀ちゃん(亀井)がすごいんで」と前置きすると「ですけれども、1球でバントを決めたという。まあ、流れという部分というのはどこかで勝負にはあるのかな」と北村の犠打に重きを置いた。

 一見、地味なともすれば見逃されがちなプレー。指揮官はさらに「1球で送りバントを決めたというところにね、大城が、追い込まれても打つことができた(要因がある)と言ってもいいのかなというふうに思っております」と殊勲打にも影響したと分析。最後は「ぼんやりと、経験の中でね。まあ確信はないけれどね、そういうものがあるような気がしますね」とうなずいた。

 派手な長打や適時打よりも犠打が勝利の流れを生む。リーグ優勝9回、日本一3回を誇る原監督ならではの分析だった。