ヤクルトは9日の広島戦(神宮)を4ー3で勝利。代打・内川聖一内野手(38)が劇的なサヨナラ打を放った。

 先発の高橋が7回1失点9奪三振の好投も、8回に3番手の星が逆転を許す苦しい展開で迎えた1点ビハインドの9回。広島ベンチは連投だった守護神・栗林ではなく、フランスアを投入。打線はいつもと違う継投に隙を見出した。

 先頭の6番・中村が四球を選び出塁すると、代走の渡辺がすかさず二盗を成功。サンタナが左前打で続き無死一、三塁。ここで代打・川端が中前へ運び同点に追いついた。

 さらにベンチは動いた。続く9番・山崎に代え宮本をピンチバンターとして起用し、キッチリ犠打成功。塩見は満塁策で歩かされ一死満塁で指揮官は最後の切り札・内川を送り出す。ベテランは追い込まれながらも5球目を振りぬき、中前へ運び、見事サヨナラ。

 内川はヒーローインタビューで「気持ちが悪くなるくらい緊張しました」と告白した。今季は開幕は一塁でスタメンも、現在は慣れない代打稼業。報道陣に対し、勝負所での代打起用について「いや楽しくないっすよ」「できれば楽なところで行きたいというのが正直なところです」と思わぬ本音を打ち明けた。

 試合後、高津監督は「みんなの作った雰囲気が最後のサヨナラにつながった」と選手たちをたたえた。