巨人の内海哲也投手(32)が30日、来季の開幕投手に立候補した。今季は開幕から9試合勝ち星に恵まれず、スタートダッシュに失敗。終盤に調子を上げたものの、ふがいない成績に終わった。2012年以来3年ぶりに大役を務めることで復活の足掛かりとしたい左腕エースだが、その眼前には“2つの壁”が立ちはだかっている。

 内海はこの日、来年小学校に入学する東京、神奈川などの児童養護施設の子供たちへ今季の投球イニング数と同じ144個のランドセルをプレゼントすることを発表。

 東京・北区にある児童養護施設で毎年恒例となっている贈呈式に参加した。7勝9敗、防御率3・17という成績に終わった今季に「個人的にはふがいないシーズン。給料泥棒でした」と猛省。チビッコたちを前に「来年は200個(イニング)を目標に、最低でも今年より減らないように頑張ります」と大目標を掲げた。来季に向け早くも闘志を燃やすGの投手リーダーは名誉挽回の足掛かりとして、まずは3季ぶりに開幕投手の座を取り返したいという。

「やるからには開幕投手をやりたい。先発投手でやっている以上、そこは目指していかないと。気持ちがなくなった時は終わりだと思うし」

 そんな内海の前に立ちはだかるのが、今季自身初の開幕投手を務め、リーグMVPの活躍を見せた菅野だ。原監督はまだ明言こそしていないが、球界屈指の右腕となった若きエースは来季の開幕投手の最有力候補だ。

 プロ12年目での大役を務めるには、後輩とのガチンコ対決は避けて通れない。

 捕手とのコンビネーションを高めることも壁となる。これまでほとんどの試合でコンビを組んできた阿部は一塁コンバートが決定。ヤクルトからFA移籍してくる相川、2年目・小林のどちらが“専属捕手”になるか未定だが、阿部とのコンビのように息が合うかは未知数だ。第3回WBC日本代表以来のチームメートとなる相川はさておき、小林にも不安はある。開幕前にバッテリーを組んだ際には、内海が「僕はチェンジアップの方が得意なのに、スライダーばかりを要求されて…」と漏らしたことも。結局、シーズンでのコンビは2試合のみにとどまった。来季開幕までにコミュニケーションを密にするなど、何かしら手を打つ必要はある。「最多勝を取った時と同じフォームで投げていたつもりだったけど、多少のズレがあった。原因は年齢なのか、実力なのか。問題があるのには変わりないので考えながらトレーニングしたい」とオフの抱負を語った内海。不振にあえいだ左腕は復活を遂げることができるのか。