翌日に控える巨人との首位攻防戦を前に、価値ある1勝となった。

 阪神は8日のヤクルト戦(神宮)に、6―5で逆転勝利した。

 立役者は梅野隆太郎捕手(30)と大山悠輔内野手(26)、2人の主力だ。2―3で迎えた8回。ヤクルト・清水から二死一、三塁の好機を作ると、まずは6番・梅野が左翼線に同点適時打。「自分が打てる球をしっかりと待って。しっかりとコンタクトをすれば何かが起こるんじゃないかと思っていた」という一振りで振り出しに戻すと、これに続いたのが不振で7番にまで打順を下げられた主砲・大山だ。

 二死二、三塁から「(ランナーを)返すしかないと思ってました」と強振した打球は右翼席へ飛び込む、決勝の勝ち越し10号3ラン。このリードを、最後はセットアッパー岩崎、守護神スアレスと惜しみなく投入し守り切った。

 終盤での逆転勝利、さらにこのカード勝ち越しとあって、試合後の矢野燿大監督(52)も「誰か一人ではなく、みんなが頑張ってくれた」と笑みを見せた。

 9日からは前半戦最大のヤマ場、2位・巨人との首位攻防3連戦に臨む。聖地・甲子園に2・5ゲーム差で宿敵を迎え撃つ指揮官は「山場って言っても、今日も山場だったし、ウチはいつも山場やから。残り6試合になったのかな? 目の前の試合を戦っていくことしかできないから」と気持ちを引き締めていた。