巨人・原辰徳監督(62)が2か月ぶりの〝理想の打線〟で7日の中日戦(東京ドーム)に3―1で快勝。連敗を2で止めた。この日は3安打とまだ試運転状態ながら、ライバル球団は早くも警戒心を強めた。

 昨年12月に指揮官が「私の理想では1番梶谷、2番坂本、3番丸、4番岡本」と明言した「カジサカマルオカ」が5月4日広島戦(マツダ)以来、2か月ぶりに復活した。先発・山口が2回、ベテラン福留にソロを被弾も4番・岡本和がその裏にセ単独トップとなる25号同点ソロ。4回に2番・坂本の中前打から3番・丸が逆方向の左翼スタンドに10号勝ち越し2ラン。山口が7回途中1失点にまとめ、救援陣が逃げ切った。

 わずか3安打で3―1と効率のいい勝利。指揮官は「少し1番、2番があまり動いていないというところで、(コーチから)少し打線をいじろうと。分かりましたと言うことで、こういう形になりました。まあ、もう少し活発に打ってもらいたいなというのはありますけれど」と笑顔で振り返った。

 昨年12月の梶谷入団会見で指揮官はこの打順構想を初披露。左太もも裏を痛め約1か月離脱した梶谷の調子が上がってきたことでゴーサインとなり、1・5ゲーム差と肉薄する阪神との首位攻防戦(9日~、甲子園)に何とか間に合った。

 これにはネット裏のライバル球団も「ケガ人が多くて、今季の巨人はなかなかこの上位打線が組めなかった。坂本は5番より打席が多く回る2番に置いた方がやっかい。巨人の攻撃力が最大限に上がるのがこの打順」と警戒を強めた。

 2021年版G最強打線が本格的に機能すれば五輪中断前の逆転も可能性は十分。V3に向けこのまま勢いに乗れるのか、目が離せない。