粘投が実った。巨人の山口俊投手(33)が7日の中日戦(東京ドーム)に先発し、7回途中1失点の好投で2勝目をあげた。

 完調とはいかない中、熟練の投球術が光った。山口は毎回走者を出しながらも、制球力のあるフォークを武器に大量失点は許さず、失点は2回に福留に浴びた先制ソロアーチのみ。7回二死で2番手・大江に後を託し、降板となったが「毎回毎回そういう(いい)調子では投げれないと思う。いろんな変化球を投げ分けられたり、調子が悪い中でもできたのは手応えだと思う」と、結果以上の収穫を得た登板となった。

 米国での経験も生きた。「基本的には(メジャーでは)投手有利カウントで進める。カウントが悪くなっても、四球出すくらいなら安打はオーケー。日本だとどうしても打たれたくなくて四球、四球になるが、今のところ割り切れて投げられてるかなと思います」。

 滑りやすいメジャー球とは違い、慣れ親しんだプロ野球のボールも好投を続ける要因となっているようで「やはり長い間日本でプレーしてたので、手にボールがフィットする感じはすごく調整しやすいというのはある。湿気も多いですし、滑ったりするっていう変な感じもないですし」と明かした。

 この日の勝利が、チーム復帰後初となる本拠地・東京ドームでの白星。原監督からも「テンポも良いし、コンディションも非常に良さそうですしね。ゲームを作ると全体のリズムも非常に良くなるし、いい形で入ってくれていると思います」と賛辞の言葉を贈られた。

 首位奪取に向けて負けられない試合が続く中で、経験豊富な右腕が、今後も安定したゲームメークを図る。