中日、日本ハムで通算2204安打を放ち、日本ハムの監督を務めた大島康徳さんが6月30日午前、大腸がんのため東京都内の病院で死去した。70歳だった。2017年2月に自身のブログで大腸がんにかかったことを明らかにし、解説者などの仕事を続けながら闘病の様子を記していた。5日更新のブログには「この命を生ききる」のタイトルで奈保美夫人が大島さんの言葉を代筆。球界内外で悲しみが広がっている。

 大島さんは6月30日に亡くなるまで、ほぼ毎日のようにブログを更新。しかし、6月29日の投稿を最後に更新が止まっていた。6月22日には中傷コメントが届いていることを奈保美夫人が明かすなどしており「何かあったのでは」と、周囲を心配させていた。

 最近では夫人が大島さんの言葉を代筆する形式でブログ更新されていたが、訃報が出た5日「この命を生ききる」とのタイトルで、夫人が5日ぶりに投稿。

「この先の人生、何かやりたいことがあるか? と真剣に考えてみたけれど、特別なことは何も浮かばない(笑)。高校を卒業して、プロ野球選手としての人生をスタートし、この年になるまで野球一筋、野球人として生きることができた。皆様のおかげです。どうもありがとう」

「そりゃ辛いこともあったけど、それ以上にこの世界にいなければ得ることができなかったであろうファンの方からの声援や、感動や喜びをたくさんいただいた。貴重な経験もたくさんさせて頂いた。よき先輩、よき後輩、よき仲間、よき家族に恵まれ、美味しいものをよく食べて、旨い酒をよく呑んで、大いに語らい、大いに笑い、楽しいこと、やりたいことは片っ端からやってきた。楽しかったなぁ…。これ以上何を望む? もう何もないよ。幸せな人生だった」

「命には必ず終わりがある。自分にもいつか、その時は訪れる。その時が俺の寿命。それが俺に与えられた運命。病気に負けたんじゃない。俺の寿命を生ききったということだ。その時が来るまで。俺はいつも通りに普通に生きて、自分の人生を、命をしっかり生ききるよ。大島康徳」

 夫人によると、大島さんが今年の春ごろに記したものだという。