侍ジャパン 素直に喜べない「MLB軍団に24年ぶり勝ち越し」

2014年11月21日 16時00分

侍ジャパンに4敗目を喫したファレル監督(手前右)は渋い表情

「2014 SUZUKI日米野球シリーズ」の親善試合が20日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、侍ジャパンがMLBオールスターチームに6―4で快勝した。8年ぶりに復活した日米野球(全5戦)は日本が開幕3連勝で早々と24年ぶりの勝ち越しを決め、有終の美まで飾った格好だ。一方で、赤っ恥をかいたMLB軍団から聞こえてくるのは言い訳ばかり。最強チームにはほど遠い“選抜チーム”に勝ち越したからといって、素直に喜んでいいものなのか…。

 勝利で全日程を終えた小久保監督は「選手たちには『親善試合といっても勝つという意識を持って戦おう』と言っていたので勝ててよかった」と頬を緩め、本戦で24年ぶりの勝ち越しを決めたことにも「(侍ジャパンにとって)大きかった」と語り、目を輝かせた。

 そんな侍の総大将と対照的だったのが、MLBチームを率いたファレル監督だ。「2017年のWBCで日本は間違いなく脅威になる」と日本を持ち上げつつも、今大会を振り返り「訪日前に米国で練習ができたのはわずか2日間だけであり、そこで初めて我々は顔を合わせたのが実情だ。招集選手に関しても所属チームからさまざまな規制がかけられ、ここに来れたメンバーはやっと参加が許されたレアケースの者たちだった」と仏頂面でコメント。日本に負け越したのはベストメンバー、ベストコンディションでなかったからだと強調した。

 指揮官がこんな調子だから選手も口をつくのは言い訳ばかりだ。「我々は長距離移動後のアウェーゲームを強いられた。それだけでも日本に大きなアドバンテージがあったのは明白だ」とはゾブリスト(レイズ)の弁。続けて「とにかく今大会はいろいろイベントが多くて、我々は正直言って疲れていたんだ」と声を大にして訴えた。

 ゾブリストの言う「イベント」とは、大会期間中にMLB軍団のメンバーたちが観光地へ足を運んだり、ナイター終了後に夜な夜な歓楽街で飲み歩いたりしたプライベートスケジュールのこと。小久保監督は再三「真剣勝負」をアピールしていたが、今シリーズにかける日米両軍の温度差は歴然だった。

 第1、5戦で先発したシューメーカー(エンゼルス)は「日本代表が本当に強くなりたいのなら米国に来て試合を行うべき。代表チームにはアウェーのプレッシャーの中で戦うための強い気持ちが何よりも必要。WBCの決勝トーナメントは過去3大会とも米国で行われているわけだし、日本が次の17年大会で勝ちたいなら、こっち(米国)に来い。そうすればMLB選抜だってベストなチーム編成ができる」と本紙に打ち明けたが、そもそも日米野球を米国で開催できる保証はない。あくまで個人的見解の上、負け惜しみにも聞こえてくる。

 侍ジャパンにとっては17年WBCへの第一歩として臨んだ今回の日米野球だが、相手もパッとせず、ただの興行で終わってしまった印象はぬぐえない。