工藤監督も驚いた! ソフトバンク・田中正義2年ぶりマウンドで「スマイル」の理由

2021年06月28日 05時15分

ソフトバンク・田中正義
ソフトバンク・田中正義

 工藤監督も驚いたスマイルの理由とは――。ソフトバンク・田中正義投手(26)が27日の楽天戦(楽天生命)で2年ぶりの一軍マウンドに上がった。2―3の8回に4番手で登場。茂木を左飛、銀次を一ゴロ、太田を外角低め151キロ直球で見逃し三振に仕留める圧巻の11球だった。「自分が持っている力をすべて出し切ろうと思ってマウンドに上がった。自分らしい投球で最高の結果を出すことができました」。チームが3連敗を喫する中で〝希望の光〟を放った。

 終盤の競った展開で出番が巡ってきたにも関わらず、楽し気に笑っていた。工藤監督が「行く時もニコニコしていて、えっ!? と思った」。その姿には、仙台から遠く離れた福岡・筑後でも球団関係者やファーム首脳陣が釘付けになっていた。

 なぜ笑っていたのか。理由を解説してくれたのは倉野ファーム投手統括コーチだ。「いい精神状態でしたね。よく楽しめって言いますけど、なかなかできないんですよ、実際は。あそこで本当に楽しめる、自然と笑える人間というのは、苦労を重ねて乗り越えてきている人間だからなんです」

 入団以来、相次ぐ故障に悩まされ、一軍の壁に跳ね返されてきた。2016年ドラフトで5球団から1位指名された「勲章」が、次第に「重圧」に変わり苦闘してきた。色眼鏡で見られ〝期待外れの烙印〟を容赦なく世間から浴びせられた。精神的な脆さを指摘されることも多かった。だが、田中なりに歯を食いしばって耐えた苦節が、腹をくくれる「タフさ」を養ったと倉野コーチは見ている。

 かねて田中は「次、一軍で投げる時は『今日が最後の試合』という気持ちで投げる」と語っていた。そんな悲壮覚悟を微塵も感じさせなかった最高のスマイル。不敵にさえ映った笑みに覚醒の予感が確かに漂う。

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