どうにも勝ちきれない。中日は27日の広島戦(マツダ)で打線が振るわず1―1と今季10度目の引き分け。これで6カード連続勝ち越しなしと低空飛行が続いている。

 初回に高橋周が9日の楽天戦以来となる適時打を放って先制したが、打線は計8安打ながら〝スミ1〟。6回1失点と好投した勝野に約2か月ぶりの勝ち星をつけることができなかった。

 中継ぎ陣も7回から福―谷元―又吉が各1イニングを無失点リレーと奮闘。与田監督は「やっぱり相手に点をやらなければ。今日も同点は許したが、それまで何とかしのいだ。そういう守っていく野球を今はやるしかない。勝ちの次は引き分けだから。負けなかったということではよく頑張った」と投手陣をねぎらった。

 しかし、不甲斐ない野手陣の入れ替えをほとんどせずに起用し続ける首脳陣の采配を疑問視する声が出ている。あるOBは「これだけ投手陣が頑張っているのに野手陣は本当に情けない。交流戦はビシエドが首位打者になる活躍で貯金ができたが、ビシエドが調子を崩した途端に勝てなくなった。このままビシエド頼みで戦うのではなく、結果の出ていない野手を二軍に落として、今季まだ一軍昇格させていない遠藤や伊藤らにもチャンスを与えて、もっと野手陣の競争をさせるべき」と指摘する。

 この日は打撃不振の根尾が13試合ぶりのスタメン起用で27打席ぶりに安打を放ったが、井領は17打席連続無安打、武田は打率1割台と低迷。前出のOBは「このままでは頑張っている投手陣から『野手陣は何をやっているんだ』と不満の声が上がりかねない。その辺のことを首脳陣も考えないと」とも訴える。中日は12球団で最も一、二軍の入れ替えが少ない。確かにこのままでは投手陣の不満が爆発するのも時間の問題か。