西武・平良海馬投手(21)の「逆大谷投球」にメジャーが熱い視線を向けている。平良は21日の楽天戦(メットライフ)2―0の9回に2番手として登板。味方の失策と安打で二死一、三塁のピンチを背負うもこれを切り抜け、35試合連続試合無失点のパ・リーグ新記録を樹立した。

 平良は「点を取られそうだなと思いながら投げていて(結果的に)抑えられてよかったです。得点圏に走者がいる時は〝打たれたら点が入る〟と自分にスイッチを入れて投げています」と疲労の影響からか、ここ最近の綱渡り気味の投球を振り返った。

 その平良にはメジャー関係者が「B軌道の優位性」を指摘している。B軌道とはリリースポイントから打者がスイングするベース上までの投球軌道の一分類。高いポイントから打者のヒザ元へ叩きつけるような角度のついたA軌道と対照的に、ほぼ地面と平行に進む〝平行軌道〟とも言える軌道のことだ。

 メジャー関係者は身長173センチ、体重100キロの平良の体形に着目し「上背がない分、ボールに角度がつけられない。そのままクイックで平行に移動し、ほぼ地面と平行軌道の球が打者に向かってくる。身長193センチの上背から長い腕でさらに角度をつけてくる(エンゼルス)大谷とは対照的。ただ投手としては決して恵まれていない体形が彼の場合は武器になっていることが興味深い」と、独自の軌道に関心を寄せている。

「彼には申し訳ないけれど、あのサイズで手足が短いことが彼の最大の武器。ダイナミックではないが、野手投げのような〝ナチュラル・クイック〟からB軌道の160キロが飛んでくる。カットボールやスライダーも常にB軌道で、途中から曲がってくるので打者には区別しづらいのでは。ホークスの柳田が『見たことがない投手』と言っていたのもこの軌道のことを差しているのではないか」(同関係者)

 平良は侍ジャパンにも初選出されており、東京五輪では〝東洋の神秘〟としてメジャー関係者の注目を集めそうだ。