またしても孤軍奮闘の中日・大野雄大投手(32)を見殺しにした打線に対して厳しい声が上がっている。

 22日の阪神戦(バンテリン)に中日は1―2で惜敗。先発した大野雄が8回5安打2失点の好投を見せたが、打線の援護に恵まれず、今季5敗目を喫した。

 虎キラーを誇る大野雄の本拠地での対阪神連勝も、ついに「7」でストップ。実に2013年8月以来、8年ぶりに本拠地で阪神相手に黒星がついた。惜しむらくは2回の投球で、佐藤輝の二塁打をきっかけに糸原、梅野に連続適時打を浴びて2点を失った。3回以降はきっちり修正し、8回までわずか1安打に抑えただけに、2回の2失点が最後まで重くのしかかった。

「これからゆっくり反省します」と敗戦の責任を一身に背負ったエース左腕だが、責められるべきは野手陣だ。相手先発の青柳や岩崎、スアレスの虎のリリーフ陣を攻略できず、散発4安打で1得点のみ。与田監督は「対策はずっと取っている。打線も簡単には点を取れないが、それを上回る投球をされてしまったら勝つのは難しい」とお手上げ気味に話す。

 とはいえ、この日は大野雄が3回の第1打席で四球を選び、6回の第2打席では左前打を放って出塁。その直後に大島の左飛の間に一塁から二塁へ気迫のタッチアップを敢行して好機を演出するなど、攻撃面でも野手顔負けのプレーを見せた。

 これにはチーム関係者も「野手は本当に情けないよ。雄大が投球だけでなく、打撃でも走塁でも、これだけ必死になってやっているのに、何も感じないのかな。もっと雄大以上に気迫を前面に出していって、打ちまくって援護してやらないと」とあきれ口調で話す。

 先日発表された東京五輪の侍ジャパンも大野雄がチームから唯一、選出されているだけに、野手陣は沢村賞左腕におんぶに抱っこの状態を早く脱却するような意地を見せたいところだ。