巨人・原辰徳監督(62)が20日の阪神戦(甲子園)でこう着状態が続いた6回に動いた。

 先発した高橋が5回まで82球、4安打無失点と好投したが、打線は秋山の前に5回まで1安打無得点と沈黙。両先発の投手戦となったが、6回の攻撃で先頭の8番・北村が左前打で出塁すると、即座に原監督が動いた。

 一塁走者・北村の代走に湯浅を送ると、無失点投球を続けていた高橋の打席で代打・香月を告げた。その香月は送りバントを決めることができず、最後は内角への135キロ直球に手が出ず、見逃し三振…。好投した高橋を下げる策が不発に終わり、原監督は思わずベンチ前のフェンスを叩いて感情をあらわにした。

 ただ、なおも一死一塁の場面で1番の松原が内角直球をとらえ右翼スタンドへ6号2ランを叩き込み、待望の先制点をもぎ取った。原監督は殊勲の一発を放った若武者を笑みを浮かべグータッチで迎えた。首位阪神との直接対決3連戦は1勝1敗。猛虎追撃へカード勝ち越しがかかるこの日、指揮官の感情もたかぶっている。