〝掘り出し物〟となるか。ロッテから交換トレードで中日に移籍した加藤翔平外野手(30)への期待が高まっている。

 リーグ戦再開となる18日からのヤクルト3連戦(神宮)に向けて与田監督は「左右ともパンチ力もあるし、トータル的なレベルで、いろんなことができる選手。早めに僕は使いたい性格なので」と一軍昇格即スタメン起用を示唆。ネット裏の評論家の間でも加藤翔を高評価する声が出ている。

 本紙評論家でロッテOBの得津高宏氏は「中日は本当にいい戦力補強をしたよ。もともと加藤(翔)はレギュラーを取れる力を持っているのに、ロッテの外野陣が飽和状態になっていて、あまりチャンスをもらえていなかっただけ。ミートがうまく、勢いがつくと1、2か月ぐらい好調で打ちまくる。あの体で右にも左にも本塁打を打てる長打があるし、足も速いし、守備もうまい。レギュラーになれるよ」と力説する。

 ここまで今季は一軍では20試合に出場で打率2割2分ながら、二軍では20試合で打率3割6分9厘、4本塁打、18打点の好成績。昨季イースタン・リーグでは打率3割4分5厘で首位打者を獲得している。それでもロッテには本塁打争いトップのマーティンを筆頭に荻野、角中、岡、菅野、和田のほか、二軍にも福田秀、藤原、高部らが控えているため、年齢的にも30歳で中堅の加藤翔はチーム内で恵まれない立場となっていた。

 そのため得津氏は「中堅の大島以外、両翼が固定できていない中日にとって加藤(翔)の獲得は大きなプラス。中日はブライアントとか、(土谷)鉄平とか、過去にトレードに出した選手が移籍先で大活躍するケースが多いけど、今回はその逆になるのでは」と指摘する。
 2005年オフに当時の落合監督が外野陣が福留、アレックス、森野、井上、英智と層が厚かったため、他球団に移籍した方が活躍の場があるとして、土谷を金銭トレードで楽天に移籍。登録名を「鉄平」に変更すると、首位打者を獲得するなど大ブレークし、1億円プレーヤーにまでなった。

 得津氏は「楽天へ行って才能が開花した鉄平のように加藤(翔)も中日で首位打者になれるような逸材」と太鼓判を押しているが、今後の躍進ぶりに注目だ。