広島の大瀬良大地投手(29)にエースらしさが戻ってきた。8日のソフトバンク戦(ペイペイ)に先発して7回4安打1失点と好投した。

 今季は2連勝スタートも、4月半ばに下半身のコンディション不良で離脱。5月半ばに復帰したが、前回1日の日本ハム戦で今季最短の4回6失点でKOされるなど、2連敗を喫していただけに「復帰してからの登板は自分の中でモヤモヤがあった。何とかいいものが見えたので、継続してやっていってチームが勝てる投球ができるように準備していきたい」と復調に自信をのぞかせた。

 今年は投手キャプテンに任命された。「その時その時に応じて、こういう言葉を掛ければいいかなとか、今はあえて声を掛けずにやった方がいいのかなとか…そういうのを考えながらやっています」。お手本にしているのは、過去にチームを背負っていた名選手たちだ。

 背番号15が永久欠番となった黒田博樹氏に2016年のメジャー移籍までエースだった前田健太(現ツインズ)。新井貴浩氏や昨年限りで引退した石原慶幸氏ほか、野手の先輩たちが見せていた姿勢も参考にしている。

「そういう(中心選手としての)姿を見てきたので。存在感だったりというのはまだまだ足元にも及ばないですけど、そういう存在でいたいというか…見せてもらってきたもの、学んできたことを生かしていきたい」

 新型コロナ禍で離脱していた先発陣も森下、高橋昂らが続々と一軍復帰している。「みんなが元気に試合に投げられつつあるというのはうれしい。今は空気的にも悪くないので、勝ちが続くような試合をしたい」。チームは今季ワーストの借金8で首位阪神から11・5ゲーム差の5位と厳しい戦いを強いられているが、大瀬良はまだまだ諦めていない。