小さな大投手が金字塔だ。ヤクルト・石川雅規投手(41)が4日の西武戦(神宮)に先発し、5回1失点の好投で今季初勝利を挙げた。現役最多の174勝目で、大卒投手では史上初となる20年連続勝利を達成。山田、青木、村上の本塁打など11安打10得点の大量援護に5回裏無死、降雨コールドと天候にも恵まれた(?)格好ながら、昨年10月21日の巨人戦(神宮)以来、226日ぶりの白星にはベテラン左腕も相好を崩した。

 降りしきる雨の中でも動じなかった。初回は三者凡退と上々の立ち上がりを見せ、2回も二死から安打で出塁した愛斗を牽制で誘い出して自らピンチの芽を摘んだ。6―0の3回にスパンジェンバーグの一発を浴びたものの、5回をわずか59球でまとめ、3安打2奪三振、ゴロアウト6つと持ち味を発揮した。

 20年目の今季は不振で開幕二軍スタート。4月16日の阪神戦(甲子園)で初先発したが、5回2失点で負け投手となってファームに逆戻り。それでも腐ることなく調整を続け、二軍では7試合に登板して防御率0・32と抜群の安定感を見せて今回の一軍切符をつかみ取った。

 まだまだ老け込んではいられない。167センチの小兵左腕が、ここから巻き返す。