佐藤輝は「30発打つでしょう」 中村紀洋氏が「フルスイングの掟」を“伝授”

2021年06月04日 14時00分

交流戦でも力を見せつけている佐藤輝

【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(22)が交流戦でも持ち味の長打力を存分に発揮している。パ・リーグの投手相手にも衝撃のフルスイングは変わらない。

 そんな虎の若き大砲にさらなる進化を期待しているのが、現役時代にフルスイングを代名詞としたスラッガーで、近鉄、ドジャース、中日などで活躍し、NPB通算2101安打、404本塁打を誇る中村紀洋氏(47)だ。

 フルスイングとはいっても、そう簡単なものではない。やみくもにバットを振り回すのは好投手に対して無謀というもの。無論、佐藤輝とてそんなつもりはないだろう。そこで中村氏が重要視するのは「根拠のあるフルスイング」だという。

「何でもかんでもフルスイングというわけではない。僕のフルスイングはいろんなデータを基にした準備があったからこそ可能だった。だからこそ自信を持って振っていけるという、意味のあるフルスイングやからね」

 事実、現役時代の中村氏は相当な「メモ魔」だった。対戦投手の配球や傾向などを詳細に手帳に記録し、次回の対戦に備えていた。予告先発が発表されると、夜明け前まで録画した映像を見て対戦イメージを膨らませることも珍しくなかった。

 チームが用意してくれたデータも尊重した。全体の傾向を把握しつつ、実戦でつかんだ自分に必要な生きたデータを絡めて研究を尽くした。「そうやって自分でも考えたから、あれだけの根拠のあるフルスイングができたんだと思う」との言葉には説得力がある。

 打てば打つほど相手のマークもキツくなる。それでも、そこをかいくぐって結果を残し続けるため探究を重ねる。その楽しさにハマれば、おのずとレジェンドの域に近づいてくる。

「それにしてもいいバッターやね。今年30発は打つでしょうね」。フルスイングから、根拠のあるフルスイングへ――。ネクストフェーズへとステップアップする時、虎の規格外ルーキーはさらなる進化を遂げるに違いない。

 ☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍。2013年10月独立。プロ野球だけではなくスポーツ全般、格闘技、芸能とジャンルにとらわれぬフィールドに人脈を持つ。

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