かつての輝きは取り戻せるか。ソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手(36)が真価を問われている。

 キューバ代表として五輪予選に出場するため日本を離れたデスパイネ、右手薬指の骨折で戦線離脱したグラシアルに代わる大砲として期待されるが、前カードの巨人戦では5月28日の初戦に今季1号を含む2本塁打を放ちながら、29日、30日は7打数ノーヒット。どうにも好不調の波が激しい。

 そんな中、本領発揮へ首脳陣がチェックしているは背中だという。打ちたい、当てたいとの思いが強くなると、打席で背中が丸くなってしまう傾向があり、立花打撃コーチは「体を起こした方がいいと思う」と分析している。

 体だけでなく気持ちの面でも打席で丸くならずに本来の自信満々の姿を取り戻してくれれば、必ず豪快なアーチを放ってくれるはず――そう考えている小久保ヘッドコーチも「過去に見せつけていたものを見せつけてほしい」と期待を込める。昨季不振だったといっても、一昨年はヤクルトで打率2割8分、33本塁打を放った大砲。13年にはシーズン60本塁打でプロ野球新記録を樹立しているだけに期待値は高い。

 6月1日からの次カードはバレンティンにとっては〝大好物〟の横浜スタジアムでのDeNA戦。ヤクルト時代には本拠地・神宮での155本塁打に次ぐ39発とアーチを量産しており、13年には1試合3本塁打2場外弾という離れ業もやってのけている。

 セ本拠地でDHは使えないが、すでに30日の巨人戦には左翼で出場しており「もし自分が横浜で試合に出ることができたら、なじみがあって好きな球場なので、プレーできることはすごくうれしい。(守備に関しても)行けと言われたら結果を残せるように、良い準備ができるよう心がけている」と鼻息も荒い。

 NPB通算300号まで残り1本。元来が陽気な性格で早々にメモリアル弾が飛び出せば、自信回復にもつながりそうだ。