もう代役とは呼ばせない!? 巨人・吉川尚輝内野手(26)が不慣れなはずの3番打者として奮闘を続けている。

 転機が訪れたのは5月22日の中日戦(バンテリン)だった。首脳陣に打撃の好調ぶりを買われ、プロ入り初となるクリーンアップに抜てき。以来、8試合連続で「3番・二塁」として出場し、31日時点で6戦連続安打を放っている。3番での打率は3割5分5厘、出塁率も3割9分4厘といずれもハイアベレージ。通算で打率3割9厘とし、原辰徳監督(62)も「尚輝が頑張っているよね」と素直に活躍ぶりを認めるほどだ。

 不動の4番には5月だけで9発を放ち、一気にリーグトップタイの14本塁打まで伸ばした主砲・岡本和が控える。さらに、チームの懸案だった5番には出場24試合で6発のスモークが定着。吉川が出塁し、破壊力のある中軸に回す〝つなぎの3番〟として新たな輝きを放ちつつある。

 そもそものチーム構想では丸が3番だったが、調子は一進一退で30日のソフトバンク戦(ペイペイ)ではスタメン落ち。そうしたチーム事情から吉川が中軸の仲間入りしたわけだが、本人に「後ろにつなげるだけだと思うので、打順は関係なくやっていけたら」と気負いはない。

 ここまでの交流戦は3勝3敗の勝率5割。1日からは東京ドームで西武、日本ハムを迎え撃つ。俊足・巧打の〝ニュータイプ〟の3番打者が、チームをさらに勢いづけられるか見ものだ。