楽天・田中将大投手(32)が、29日のDeNA戦(楽天生命)に先発。日本球界復帰後最長の8回を投げ、5安打1失点の内容だった。試合は1―1の引き分けに終わり、田中将に勝ち負けはつかなかった。

 最速150キロのストレートは意識して高めに、変化球は慎重に低めにを徹底した95球だった。
 8日の日本ハム戦(札幌ドーム)、15日のオリックス戦(ほっともっと)では不用意な入り球、カウント球を狙い打たれた反省もあってか、初球の入り方がセオリー通りにならないような工夫の跡も見られた。ボール先行のバッティングカウントでは、勝負球のスプリットで打者を打ち取るなど、的を絞らせなかった。

 それでも6回二死の場面で、ヤンキースの元同僚・オースティンへの内角148キロストレートが甘くなり、左中間へ先制の8号ソロを被弾。相手先発・濱口との投手戦から1点が勝負を分ける展開だっただけに、この数少ない失投をマウンド上の田中将が誰より悔やんでいた。

 この日も味方打線が6安打1得点と援護に恵まれず、1日のロッテ戦(楽天生命)を最後に勝ち星から見放されているものの、ここ2試合連続でハイ・クオリティー・スタート(7回以上を自責点2以内)、今季2度目の無四球投球と7試合目の登板で内容は右肩上がり。

 そのクレバーで精密な投球に結果がついてくるのは時間の問題だ。