つかみかけた勝ち星は怪物ルーキーに打ち砕かれた。西武は28日の阪神戦(メットライフ)に7―10で敗北。投手陣が打線の援護を守れなかった。

 負けなしの5連勝中だった先発・高橋光成投手(24)が阪神・佐藤輝の2本塁打を含む3被弾。制球もなかなか定まらず3暴投と荒れた投球になり6回4失点。2番手・森脇も1点を奪われた。それでも打線は森友哉捕手(25)、中村剛也内野手(37)の本塁打などでなんとか勝ち越した。

 平良が8回を三者凡退に抑え、逆転勝利かと思われたが、代役クローザーのリード・ギャレット投手(28)が大誤算だった。2点リードで迎えた9回、梅野、近本に連打を許すと、マルテ、大山の連続適時打であっさり同点に。なんとか二死一、三塁とするも、またも怪物ルーキーが立ちはだかった。

 2ストライクに追い込むと先発・高橋のフォークを泳ぎながらもバックスクリーンに運んだ佐藤輝に高めの直球を要求。ギャレットは渾身の154キロを投じるも白球は無情にも右翼席最上段へ消えていった。ギャレットは0回2/3を5失点、リードを守り切れないどころか逆転を許し、マウンドを譲った。

 守護神・増田が離脱後、ギャレットに9回のマウンドを任せることが多かった辻発彦監督(62)だが、試合後この日の起用について「ポジションは決めてない。8回は佐藤輝から始まるから平良。9回は9番からだったのでギャレット」と説明。「使いづらいってのはないよ。勝ちパターンだから。後ろ投げてるピッチャーっていうのはそう簡単には代えられない」と今後も助っ人右腕の起用を明言した。

 3本塁打を許した佐藤輝については「それにしてもすごい。3本も打たれたんだし、完璧な当たりだからね」と称賛。敵将も舌を巻く怪物ルーキーと残り2試合での対戦について「(気をつけるのは)それはそう。明日の今井に期待です」と語るにとどめた。