阪神・佐藤輝明内野手(22)が28日の西武戦(メットライフ)の9回、この日3発目となる決勝の13号3ランを放った。 

 守りの乱れもあり、5―7とリードを奪い返される最悪の状況で迎えた最終回、剣が峰から奮起した猛虎打線はマルテ、大山の連続適時打でゲームを振り出しに戻すことに成功。なおも二死一、三塁とし打席に入ったのはこの日ここまで11、12号とソロ2発の背番号8。これ以上ない場面で、これ以上ない伝説を所沢の虎党、レオ党たちに見せつけた。

 カウント1―2から、ギャレットの投じた高めの154キロ直球を佐藤輝は一閃。高々と舞い上がった白球は悲鳴と歓声が交錯する中、右中間席最上段へ。10―7と試合を決定づける13号3ラン。この日だけで3発5打点の、まさに規格外な働きだった。

 お立ち台に上がった佐藤輝は「(3本塁打より)チームが勝ったことがうれしいです。決勝の13号は自分のスイングをすることだけを意識して打席に入った結果です」と落ち着いた表情で振り返った。

 セ・新人が1試合で3本塁打をマークしたのはミスタープロ野球・長嶋茂雄(1958年)以来2人目の快挙。大レジェンドに並ぶ金字塔を打ち立てた佐藤輝は「毎日一本でも多く打ちたいと思いながら練習に臨んできた結果。すごくうれしいです」と笑みがこぼれた。