広島の守護神・栗林良吏投手(24)が27日の西武戦(マツダ)に6番手として登板し、デビューからの連続試合無失点記録を「18」に伸ばした。試合は4―4で引き分けた。

「久々の登板だったので、一発に注意しながら投げた」と振り返った栗林には、将来的にも大野豊氏の球団最多通算138セーブを超える“名守護神”への期待が高まっている。

 獲得に尽力した担当の松本有史スカウトも「先発、抑えも両方できると思ってましたが、抑えをやるからには『大魔神』のような球史に残る存在を目指してほしい」と、NPB3位の通算252セーブ、最多タイの5度の最優秀救援のタイトルを獲得した元横浜・佐々木主浩氏のようなクローザーになれる逸材という。

 技術的にも佐々木氏を彷彿させるフォークの使い手で「彼のフォークには空振りさせるモノとストライクを取るカウントを稼ぐ2つのタイプがあり、キャンプから自分でも『ボールになるフォーク行きます』と投げ分けができていて、しっかりと操れていた。抑えでも十分、結果を残してくれると思っていました」(同スカウト)。

 グラブに『謙虚』の刺繍を入れているように、普段は温厚な性格ながら、ひとたびマウンドに上がると闘争心むき出しで腕を振る姿にも、チーム関係者は「この子はただ者ではない」と好感度大だ。

「新人ながら大したもの、と思うのは、ただ球が速いとか、勝負球になる変化球があるというだけなく、制球力もあるところ。これまでウチの抑えは永川(現投手コーチ)や中崎のようにいい時はいいけど、投げてみないと分からないような不安定な時もあるタイプが多かった。だけど、彼にはその心配はまったくと言っていいほどない」

 勢いに乗る鯉の新守護神は、今後も快記録を打ち立てていきそうだ。