日本ハムのドラフト2位ルーキー・五十幡亮汰外野手(22)の存在感がチーム内外で高まっている。

 チームが新型コロナ禍で苦しんでいた今月7日に一軍初昇格を果たし、同9日の楽天戦(札幌ドーム)でプロ初安打をマーク。それから持ち前の俊足と巧打を武器に、レギュラー奪取に成功した。交流戦初戦の25日のヤクルト戦(神宮)でも、先制点をお膳立てする左越え二塁打を含む2安打を放つなど、4試合連続安打と勢いが止まらない。

 五十幡と言えば50メートル5秒6を誇る韋駄天として有名。中学時代の全国大会では100メートル、200メートルで、あのサニブラウン・ハキーム(22)を抑えて優勝した実績がある。そんな逸材に球団側の期待も半端ないが、いかんせんチームがリーグ最下位に沈むだけに五十幡の世間の認知度はイマイチ。そこでチーム内でひそかに期待されているのが「東京五輪でのサニブラウンの活躍」だという。

「今のチーム状況だと、五十幡が今後大活躍してもメディアには大きく取り上げてもらえないかもしれない。だからこそ、彼には全国区のサニブラウンが必要なんです。仮にサニブラウンが東京五輪の100メートルや200メートルでメダル獲得となれば、必然的にその目は五十幡に向きますからね」(チーム関係者)

 東京五輪自体が開催されるか微妙な状況とはいえ、100メートルで9秒97の日本記録を持つサニブラウンの活躍次第では五十幡が一躍脚光を浴びる可能性は十分考えられる。

 この日の試合後は「複数安打もそうですが、四球、デットボールでも何でも自分は塁に出ることが仕事だと思うので。出塁率を大切に(今後も)やっていきたい」と語った五十幡。世界レベルのライバルとともに目が離せない。