楽天・田中将大投手(32)が15日のオリックス戦(ほっともっと)で相手主軸・吉田正に痛恨の逆転3ランを浴びた。

 この試合が田中将にとっては今季5試合目の先発登板だった。初回からツーシーム、スライダー、スプリットをゾーンに出し入れしながら前回の楽天在籍時に17勝3敗と相性のよかったオリックス相手に凡打の山を築いていった。

 そんな右腕を援護すべく、3回に田中和の適時打で先制。4回にも敵失で1点を加え2―0と、楽天ペースで試合が進んでいった。

 しかし、そのトーンが変わったのが3巡目に入った6回。一死から1番・福田に3―1からのスライダーを左前におっつけられ、続く宗にも2ー2からのスライダーを右前に運ばれて一、二塁とされた。

 ここで打席に迎えたのはリーグ首位打者の吉田正。田中将が投じた、この日の75球目の145キロのツーシームをとらえると、打球は左中間へと舞い上がった。 

 楽天の左翼手・島内がフェンスにへばりつきジャンプするも、ボールはグラブの先を超えスタンドへ。吉田正の8号逆転3ランで、敵地・ほっともっとフィールド神戸に集まった7795人のオリックスファンは一斉に沸き返った。

 マウンドの上でぼうぜんと打球の行方を見送った田中将にとっては75球目の悲劇だった。