オリックス・山本由伸投手(22)のスタイルチェンジをメジャーが注視している。

 3敗目を喫した前回5日の西武戦(メットライフ)で山本は7回途中まで自己ワーストの2桁、10安打を浴び5失点(自責点4)を喫した。本人は「粘って抑えたかったですが、粘り切ることができず悔しい」と無念の120球を振り返っていたが、右腕の動向を追いかけるメジャー関係者もこの変調に着目。それぞれの角度でその原因分析を進めている。

 あるメジャー球団スカウトは「去年に比べて彼の制球がよくなっていることが10安打の原因では」としながらこんな仮説を立てている。

「これまでの彼の特徴は打者を追い込んでからウイニングショットが暴れていたから相手が合わせられなかった。ただ、あの試合を見ていて思ったことは、追い込んでからもゾーンの中で勝負しようとしていたように見えたこと。それが西武の打者にとっては合わせやすかったのではないか。今の彼は球数を少なく勝負しようとしているのではないか。できるだけゾーンの中で勝負しようとしたことがあの試合では相手の的を絞りやすくし、ファウルで粘られ逆効果になったように思える」

 5日の試合にはドジャースのスカウトが視察に訪れており、かねてメジャー志向が強いとされる山本が将来を意識した〝実験〟を開始したのではという憶測である。

 突然の変調は何を意味し、次回以降、そのトラブルは改善されるのか。様々な思惑で山本の投球が注目されている。