ソフトバンク・高橋純〝不注意骨折〟に工藤監督が頭を抱えるワケ

2021年05月09日 13時18分

西武戦のメンバー交換を終えた工藤監督

 ソフトバンク・工藤公康監督(58)の嘆きは深かった。「不注意ですかね…」。それは8日に右手甲の骨折で登録を抹消された高橋純平投手(24)に向けられた言葉だった。指揮官は負傷した経緯について詳細は控えたが、深く落胆したのには理由がある。それは6年目右腕が担っていた重要なポジションに、大きな穴が空くという事態を誰よりも重く受け止めていたからだ。

 高橋純は「勝ちパターン」で起用されていたわけではない。だが、長いシーズンを戦う上で欠かせない役割をこなしていた。どんなに強いチームでも「負け試合」はある。脚光を浴びる機会は決して多くないが、劣勢の展開で逆転の機運を高める中継ぎ投手の存在は極めて大きい。そのポジションを担う投手にやりがいを持たせて起用することは、指揮官のマネジメント能力が試され、ペナントを左右する要素の1つと言っても過言ではない。

 今季ここまで高橋純は主にその役割を託され、10試合に救援登板して防御率0・00。離脱を受けて指揮官は、リリーフ陣のやりくりという点で「いいイメージがあったが、それが崩れてしまった」と声を落とした。その上で、語気を取り戻してこう言った。「複数イニングを投げられる投手は貴重なんですよ。本当に大事。1点ビハインドで5回くらいまで行って、6回とか7回とかそのまま行ってくれれば逆転の芽がある。そう考えると中の1イニングもいけるし、2イニングも投げられる投手は貴重。そこに関して言えば今、安定しているのが田浦と純平だった。だから『あ~…』『あれれ…』という感じです」。

 今季のソフトバンクは指揮官が「いい雰囲気がある」と語るように、打線に粘りがあり終盤の得点力が高い。イニング別平均得点で9回の「0・83」は12球団ダントツで、8回の「0・51」と足し合わせた終盤2イニングの「1・34」もダントツだ(8日時点)。12球団最多タイの「逆転勝ち」は8度を誇る。先発投手が早々に降板した後のビハインドの展開で、ゲームを引き締めて逆転の機運を高めてくれる安定感ある高橋純のような投手は、まさに貴重な存在だった。 

 エース・千賀、守護神・森、主砲・グラシアルが戦列を離れたが、高橋純の離脱もまた大きな痛手。指揮官の嘆きと落胆が深い理由だった。

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