またしても好投が実らなかった。ソフトバンクの開幕投手・石川柊太投手(29)が、7日の西武戦(ペイペイ)に先発して8回を4安打2失点に抑える快投。しかし、援護に恵まれず、試合は2―2の引き分けに終わった。

 失点はソロ本塁打2本によるもの。降板後は「本塁打での失点を何とか防ぎたかった。不用意に投げてしまったわけではないが、結果的にチームを勝たせることができなかったのは反省しないといけない」と話した。

 3月26日のロッテとの開幕戦(ペイペイ)以降、6戦連続で白星から見放されている。先発の指標であるQS(6回以上、3自責点以内)はリーグトップタイの6度。ここ5試合でいえば平均7イニング以上で防御率1・98だ。それにもかかわらず昨季の最多勝右腕が現在1勝2敗の成績となっている。

 かねて工藤監督は先発投手にとっての白星を「次への栄養剤」と位置づけている。では、現在の石川のような状況に陥った際は、どう乗り切ればいいのか。通算224勝の指揮官は次のような言葉を贈っていた。

「(そういう時、自分は)負けなかったら『よし』と思って次を頑張ろうとしていた。あとは防御率を楽しみにする、というぐらいですかね。ベスト10を目指そうとか、ベスト5を目指そうとか。そのために来週1週間をしっかり頑張ろうと。そういう何か小さいものを自分の中で見つけて頑張ろうとはしていた」。

 石川でいえば勝ちはついていなくても3戦連続で負けていない。さらに直近では防御率も投げるたびに良化し、現在リーグ8位にまで来た。チームを勝たせられていないことに沈むのではなく、それらをポジティブに捉えて次の1週間に向かってくれればというわけだ。

 エース・千賀が不在の中で石川は先発の柱。そろそろ何とかして2勝目をプレゼントしたいところだ。