「チームの酷使で〝最後の一人〟も故障してしまうんじゃないか」。西武・平良海馬投手(21)に対してチーム内外から、こんな不安の声が漏れ始めている。救援投手陣の相次ぐ故障離脱により、今後は多大な負担を強いられる可能性があるからだ。

 昨季のパ・リーグ新人王右腕は、今季開幕からセットアッパーに君臨。「勝利の方程式」の一角を担い、5日のオリックス戦(メットライフ)まで17試合連続無失点と奮闘中だ。

 だが、本人の好調とは裏腹にチームの救援陣には5月に入り暗雲が漂い始めている。4日に守護神・増田が不調により出場選手登録を抹消されると、平良、増田とともに勝ち試合の終盤を担ってきた助っ人右腕ギャレットまでもが4日の試合で左ヒザ内側に打球を当て負傷退場。これにより、西武の勝ちパターンは崩壊した。試合終盤は平良一人に頼らざるを得ない状況に陥ったのだから周囲が不安視するのも当然だろう。

 実際、5日のオリックス戦では完投ペースだった先発・今井が8回に突如乱れると、辻監督は4点リードにも関わらず二死二、三塁の場面で平良を緊急投入。この窮地を切り抜けると、9回も21歳の豪腕にマウンドを託す「イニングまたぎ」で勝利をもぎ取った。こうした起用が続けば、昨季54試合登板という実績があるとはいえ、いつ故障してもおかしくない。

 辻監督は5日の試合後に、平良の登板に関して「ずっと投げているから(起用は)迷うんだけど…。でもあそこは平良じゃないと抑え切れないと思った。(登板の)準備をしていなかったので心配だったんだけどね」と苦肉の策だったことを強調していたが、今後も同じような状況ならスクランブル発進する可能性は十分ある。

 ギャレットは7日の試合から復帰予定だが、患部の状況次第ではどうなるか分からない。周囲の平良への心配が杞憂に終わればいいのだが…。