最悪な5月の船出となった。広島は2日の阪神戦(甲子園)に3―7で逆転負けを喫し、今季初の4連敗、借金はワーストの「3」となった。連敗脱出へ前半は試合の主導権を握っていただけに、何とも痛すぎる取りこぼしだ。

 阪神・ガンケルから3回の鈴木誠や5回のクロンの適時打などで3―1と優勢に試合を進めたものの、頼みの先発・野村がブチ壊した。立ち上がりから制球に精彩を欠き、3回までに4四死球と不安定な内容。それでも佐々岡監督は経験豊富な右腕の〝粘り〟に期待したが、結果的に最悪の結果となった。

 3―1とリードした5回だ。先頭・近本の中前打に四球が絡み無死満塁とされ、この日プロ入り初の4番を任された虎の怪物新人・佐藤輝に、129キロのチェンジアップを捉えられ、右翼席への悪夢の逆転グランドスラムを被弾。「少し内角気味に入ってしまった」(野村)と、制球ミスを痛打され、瞬く間に3―5と逆転を許した。

 結局、野村はこの被弾で5回途中でKO降板。「チームが乗っていける投球ができなくて、悔しいです」とうなだれた。

 佐々岡監督は「次回?ない、ない、ない」と繰り返し、右腕の二軍降格を即答。指揮官が「今のタイガースにスキを見せると襲い掛かってくる」とボヤく通り、首位の猛虎軍団に6回にも2点を追加され、攻撃陣は継投策の前に抵抗できず惨敗。〝コイの季節〟に赤ヘル軍団が正念場を迎えている。