無双の剛腕、オリックス・山本由伸投手(22)の快投は報われなかった。

 28日の楽天戦(京セラドーム)は山本、則本昂の息詰まる投手戦となった。山本は9回を96球、3安打、無失点に抑える〝完封〟投球を披露。しかし、打線が則本昂に8回まで2安打に抑えられて三塁すら踏めない。9回に2番手の松井を二死一、二塁と追いつめながらもあと1本が出ず、0―0の3試合連続の痛恨ドローに終わった。

 ハイレベルな投手戦に中嶋監督も「すごい投手の投げ合いだった。9回はあと一歩のところでしたが…」と悔しさをにじませた。

 4勝目はならなかったが、山本は「今日もいい力感でいいイメージで投げることができた。ストライク先行でいけたことでテンポよくどんどん乗っていけた。〝理想の球数〟で投げられたと思います」と清々しい表情を見せた。
 
 ここまで防御率1・39と安定感抜群。その成長ぶりにはチーム関係者も舌を巻くばかりで「毎年、全球種の精度が上がっている。どんな相手でも有利なカウントで勝負できて自分で試合をコントロールできる。彼自身は天井知らずでさらに上を目指しているんだろうけど、周りから見たらパーフェクトな投手に見える」と感心しきりだ。さらに「いつノーヒット投球をやるか楽しみですよ。いつやってもおかしくない雰囲気を持っている」との期待感も常にあるという。

 零封しても白星がつかず、3試合連続の足踏みとなったオリックス。上位浮上には打線の援護が絶対条件だ。