広島・森下に重なる黒田の「男気」とマエケンの「勝負強さ」

2021年04月28日 05時15分

ベンチ前で鈴木を迎える森下。笑顔も魅力だ

 プロ2年目も頼もしさは変わらない。広島の森下暢仁投手(23)が27日のDeNA戦(マツダ)に先発し、8回3安打1失点の好投。また打者としても3打数2安打1打点。自身2度目のマルチ安打で〝自援護〟し、今季3勝目を挙げた。

「(自分が)連敗していたので…勝とうと思ってマウンドに上がりました」と振り返った森下は「チームもいい流れに乗っていた中、自分のマウンドが来たので〝もう流れに乗っちゃえ〟と思っていきました」と笑顔。勝てなかった2週間は「ずっと考えていた」という。

 チーム関係者が明かすところによると、森下には広島からメジャーへと羽ばたいた黒田博樹氏、前田健太(現ツインズ)の2人の歴代大エースの〝遺伝子〟があらかじめ備わっているという。「男気」で知られる黒田氏の精神力と、かつてタイトル争い時に見せた前田の勝負強さ。ルーキーだった昨年だけも、その両輪を垣間見た登板があったという。

 黒田を彷彿とさせるのは多少のアクシデントではマウンドを降りない責任感だ。昨年7月9日のDeNA戦で、森下は立ち上がり直後に指のマメが潰れ、女房役の会沢が「無理!」とベンチにサインを送り、投手コーチが交代を打診した。それでも森下は「大丈夫です! 何でもありません」と頑として譲らず。そのまま5回を2失点で投げ切った。結果的に指先の皮までズルむけになって出場選手登録を抹消されたが、どんな状態であれ責任投球回だけは〝最低限〟と、毅然した態度で全うした姿に関係者の多くがかつての男気右腕の姿を思い出したという。

 マエケンを思い出させるのは「記録」がかかったときの勝負強さだ。本家は日本で沢村賞、最多勝、最多奪三振を各2回、最優秀防御率には3度輝いたが、1年目の森下にも新人王を「狙って取った」と実績がある。昨季終盤の先発機会では、チームスタッフに「今日は必ず勝ちます!」とあえて勝利宣言してからマウンドへ。ラスト2度の先発で17イニングを自責点0の満額回答で巨人・戸郷との一騎打ちを制した。

「有言」と「不言」を状況に応じて使い分け、実行・実現にこぎつける姿は、まさに赤ヘルの歴代エースを〝いいとこ取り〟したともいえる2年目右腕。早ければ今年中にも、球界屈指の投手に上りつめそうだ。

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