悩めるサブマリンの答えは――。ソフトバンク・工藤公康監督(57)が25日のロッテ戦(ZOZOマリン)試合前練習で、開幕から先発で不安定な投球が続く高橋礼投手(25)と長時間話し込む姿があった。

 中堅フェンスを背に腰を下ろした2人は、時折笑みを浮かべ、終始柔和な表情だった。24日のロッテ戦で4回途中5四球5失点と乱れた右腕について試合後、工藤監督はこう語っていた。「彼の心理的な部分を聞きたい。自信が持てないとなると、また次回投げて同じになってしまうと、それこそ取り返しがつかないくらいになってもよくないので。一度、本人と話し合いをするのがいいのかなと思っている」

 2019年に先発で12勝を挙げて新人王に輝き、昨季は中継ぎでチーム最多登板。指揮官はその実績を評価した上で、かつ侍ジャパンの常連で将来性の高いサブマリンの未来に思いを巡らし、再生を図ってきた。中継ぎへの配置転換、さらには二軍再調整も視野に処遇を熟考する上で、本人の考えを確認したい意向を示していた。

 青空面談は実に42分に及んだ。「どううまくいかないのか、そういうのも聞いた上で。今後のことを彼自身もじっくり考える必要があると思うので。その答えは火曜日に聞くようにしている」。処遇についての結論を急がない理由については「すぐ聞いて、すぐに答えらるかというと難しい。やっぱり必要な選手だし、頑張ってもらわないといけない選手。そういう選手に対して、こちらとしてもアドバイスはするが、それは自分に合えばそれを続けていくのがいいが、合わないと思えば捨てていい。そういう話をした。お前はどうしたいのか、じっくり考えてみなさいと言った」と語り、悩める右腕を思いやった。
 
 今季はなかなか球威が戻らず、窮屈な投球が続き5試合22与四球はリーグワースト。異変が続く中で、どんな蘇生プランが練られるのか――。