「状態はいいはずなのでもう少し試合で使ってもいいと思うのですが…」

 ロッテの鳥谷敬内野手(39)に対し、チーム内外からこんな声が漏れ始めている。このところ出場機会が激減しているからだ。

 プロ18年目の大ベテランは今季の開幕戦(3月26日、ソフトバンク戦)に「7番・遊撃」でスタメン出場。その後もコンスタントに先発出場を続けた。だが、今月8日以降は遊撃・藤岡の好調などもあって、代打や代走という限られた出場を余儀なくされている。

 6月で四十路に突入するとはいえ、今年の鳥谷は2年ぶりに春季キャンプに参加。ロッテ入団がキャンプ後だった昨季とは異なり、十分な調整期間を経てシーズンに臨んだ。そのかいもあって開幕から打撃は好調。5試合消化時点で打率4割を誇っていたことから一部ファンやSNS上で「トリさんが見たい」との声が高まっている。

 ただ、鳥谷の置かれた状況は簡単には変わりそうにない。好調なチームは上位争いの真っただ中で、大幅なラインアップの変更は考えにくく、鳥谷が守れる三塁もリーグトップの25打点をマークしている若き主砲・安田が君臨する。

 さらに27日から敵地で行われる西武3連戦からは、新型コロナ禍の入国制限で来日が遅れていた内野手のエチェバリアが一軍に合流する可能性が高い。新助っ人は22日時点でファーム5試合での打率が3割5分を超えるほど好調で、鳥谷の出場機会が今以上に減少する恐れすらある。

 選手としてだけでなくチームの精神的支柱でもあるレジェンド内野手はベンチにいるだけでも心強い存在で、そのプレーを見たいファンも多いはず。本人もその気持ちはあるだろう。そんな思いに首脳陣はどう応えていくのか。いろいろな意味で今後の起用法には注目が集まる。