ソフトバンクが23日のロッテ戦(ZOZO)に3―2で勝ち、首位をがっちりキープした。1点ビハインドで迎えた土壇場の9回、中村晃が執念の同点打を放つと、最後は甲斐拓也捕手(28)が殊勲の決勝打。ロッテの守護神・益田を攻略しての逆転勝ちは、ライバルに大きなダメージを与える価値ある1勝となった。

 野手陣の意地だった。試合前、小久保ヘッドコーチはこう語っていた。「石川がずっと開幕投手で投げてきて、金曜日にいい投手と当たる中で、なかなか白星をつけてやれていない。打線で石川に白星をつけてやる、という試合にしてほしい」。

 その石川は7回途中2失点でマウンドを降りた。成績は黒星先行の1勝2敗のまま。この日も勝ち星をつけてやることはできなかった。だが、黒星を消し、登板試合を勝ちゲームにした。

 プロ入り最多124球を投げた石川。甲斐は「石川さんに勝ちをつけられず本当に申し訳ない。石川さんのおかげでこうやって勝てた。本当に感謝したい」。持ちつ持たれつ、次こそは――。エース格を担う右腕に野手陣の思いは伝わっているはずだ。