西武の悩めるエース候補・今井達也投手(22)が14日の日本ハム戦(メットライフ)で5四死球を出しながらも要所を締め6回3安打1失点(自責点0)、7奪三振投球で今季初勝利を挙げた。

 辻監督は「今年の今井はいい球を投げているので勝ちがついてよかった。四球を出して自滅ということをよく言われるけども、球自体はずっといい。100球を超えても150キロの球を投げれるし(5四死球はあったが)しっかり抑えることろは抑えている。ボクは成長していると思う」とコメント。持ち味である荒れ球をなんとか制御しチームの勝利に結び付けた今季初勝利をたたえた。

 それでも先発した3試合(計16回)で18四死球、17奪三振、4失点(自責点3)という“劇場型投球”の改善は本人も継続的に取り組む最大の課題であることに変わりはない。

 今井は比較的安定していたこの日のストレートの制球について「基本的に高めの真っすぐを投げてはいるんですけど、最初から高めを狙うのではなくイメージ的に打者のヒザくらいを狙ってそれが結果的にベルトより高めに行くイメージを自分で作りながら投げた」と改善のためのセルフコントロールについて解説した。

 それに加えて、一気には改善しない四球数についても「しょうがない」と割り切れるようになった心の葛藤を「フォアボールを出すことでヒット1本を打たれたことと(状況的には)変わりないので、その後を踏ん張ってヒットを打たれないようにしようと思ったことがそもそもの発想の転換」と説明した。

 また今井は「森さんからは一昨年ぐらいからずっと、まずは一球一球、一人ひとり。3回、4回でへばってもいいからドンドンこいと言われている。それを1イニングずつ積み重ねて5回、6回、7回と長いイニングを投げられたらいい」と女房役の手も借りながら課題改善のために多方面からアプローチをかけている現状を語った。

 主戦捕手・森はそんな5年目右腕を「頑張りましたね。四球も(4つと)少なかったですし、常に打者に向かって投げ込めていたと思います。序盤は良くても、5回から6回にかけて崩れることがありますが、今日は粘り強く投げれたんじゃないかなと思います」と評価。二人三脚で根気強く未完のエース候補を支えていく思いをのぞかせた。