中日のエース・大野雄大投手(32)に対してチーム内やOBの間で同情の声が噴出している。

 13日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、粘投したものの1―1の7回二死から広岡に痛恨の勝ち越しソロを被弾。今季2敗目を喫して「一発の可能性のある広岡選手に対して、本塁打を打たれてしまうようなところに投げてしまった。チームが負けているし、チームを勝たす投手が打たれてはいけない、1球」と猛省した。

 しかし、問題なのは明らかに貧打の方だ。相手先発・サンチェスら巨人の3投手の前にわずか1安打1得点。与田監督も「寂しい試合だった。打てるように練習しないといけない」と頭を抱えている。

 あるOBは「本当に野手陣は情けないよ。エースが打倒巨人をぶち上げて、こんなに頑張って力投しているのに、ここまでまったく報いることができていない」と吐き捨てる。

「ジャイアンツを倒さないと優勝は絶対にない」と燃えているエース左腕だが、前回3月30日の巨人戦(バンテリン)でも7回2失点の好投を見せながら勝ち負けがつかず、これでG戦で好投した大野雄を2試合連続で見殺しにしてしまった格好だ。

 それでも打線について大野雄は「仕方ないですね。サンチェス投手もいい投球してましたし、我慢比べというところで僕がありえないミスをして負けてしまった」と自身だけを責めたが、チーム関係者は「このままチーム内に不協和音が出ないうちに野手陣は早く打ってやらないと投手がかわいそうだよ」と指摘する。

 これで開幕15試合目で12球団で唯一、猛打賞を放った選手が誰もいない珍事となり、ついに2001年の14試合猛打賞なしの球団ワースト記録を更新。大野雄の胸中が気になるが、とにかく野手陣は一刻も早く援護射撃をして報いたいところだ。