一難去ってまた一難となってしまった。ソフトバンクが6日の日本ハム戦(札幌ドーム)に7―0で快勝し、連敗を5でストップさせるも、先発したエース・千賀滉大が緊急降板するアクシデントに見舞われた。

 千賀はふくらはぎの不調で出遅れており、満を持してのマウンドだった。5回を終えて3安打無失点。直球の最速が159キロをマークするなど、チームの嫌な流れを完全払しょくする圧巻の投球を披露した。しかし、6回一死の場面でまさかの事態が発生した。渡辺の投直に体勢を崩しながらもダイレクトキャッチ。その際に左足首を思い切りひねってグラウンドに倒れ込んだ。場内が騒然とする中でマウンド付近から担架で運ばれた。

 試合後の工藤監督も心配顔だった。あえて球数制限のかからない万全の状態まで待っての一軍復帰。ここからフル回転を期待していたところだった。「やった瞬間はアドレナリンが出る。痛みもあるでしょうけど、やったショックもある。落ち着いた時にどうなるか。診断結果が出てからになります」と慎重に話した。

 深夜に球団から発表された診断結果は左足首のねん挫。千賀は「今日はチームが勝てて良かったです。今後の予定はまだ分かりませんが、またすぐに登板してチームの勝利に貢献できるようにしたいです」とコメントした。現状、復帰時期は未定で、今後については足の専門医の再診を受けてからの判断になるという。

 最速161キロの出力を誇る豪腕に無理をさせるわけにはいかない。大事に至らなかったのが幸いだが、リハビリからの立ち上げとなれば復帰には思わぬ時間を要する可能性もある。エースの登板で勝率5割に戻した王者に再び試練が訪れた。