王者ソフトバンクが5連敗を喫した。4日の西武戦(ペイペイ)に2―4で敗れて、今カード全敗。本拠地で獅子に3タテを食らうのは、ダイエー時代の2004年8月以来17年ぶりで、5連敗は去年9月以来となった。開幕4連勝と最高のスタートを切ったが、まさかの借金生活に転落した。

 鷹投の精神的支柱が頭を下げた。「野手のみんなに申し訳ない」。和田毅投手(40)は連敗阻止を託されたマウンドで痛恨の1球を悔いた。主砲・柳田の一発で1点差とし、反撃ムードが漂っていた6回だ。一度は併殺となったプレーがビデオ検証で覆り、二死一塁となった直後、西武のドラ1新人・渡部健人内野手(22)にカーブを左翼席に運ばれた。「本塁打を絶対に打たれてはいけない場面だった」。試合の機微を知るベテランゆえ、流れを手放す痛打に思わず顔をゆがめた。「あのイニングを0点に抑えられなくて、本当に悔しい」。低調な打線の状態も理解している。そんな時だからこそムードを醸成する投球が和田の身上。言葉の行間には、字面以上の悔しさがにじんだ。

 打線は9安打を放ち、3度の満塁機をつくりながら11残塁で2得点に終わった。工藤公康監督(57)は「(攻撃の)形ができるようにはなってきている。少しずつだが、前に進んでいるのかなと思う」と、攻撃陣の状態が上向いていることをプラスに捉えた。投打がかみ合わず重たい空気が漂う今だからこそ、指揮官は「反省することは大事だが、前を向けない反省は意味がない。反省するところは反省して、その上で前を向くことが大事」と語った。

 6日からは札幌、仙台と敵地6連戦が待つが、エース・千賀と昨季の最優秀中継ぎ投手・モイネロの帰還が決まった。王者の姿を取り戻すべく、前を向く――。