中日・根尾昂内野手(20)がプロ初打点をマーク。記念すべき本拠地バンテリンドーム初勝利を呼び込む活躍を見せてヒーローとなった。

 31日の巨人戦(バンテリン)に先発出場し、3―3の同点で迎えた2回無死二塁。相手先発・井納から代わったばかりの2番手・高木の初球142キロ直球をフルスイングすると、痛烈な打球が中堅の左を襲い、プロ3年目にして初タイムリー初打点となり、これが貴重な勝ち越し打となった。初のお立ち台では「ファンの皆さんの大きな声援を感じながらプレーしていた。なかなか打てていなかったので、早く1本打ちたいなと思っていた。いいところで1本出て良かったです」と安堵の表情を見せた。

 開幕から5試合連続で「8番・左翼」でスタメン出場している根尾だが「まず左翼のレギュラーを取れるように攻め切り、遊撃のレギュラーを取ることが最終的な目標」と、いまだに遊撃レギュラーの座を諦めてはいない。

 遊撃の守備で圧倒的な存在感を放つ京田に根尾が現時点で唯一、勝っているのが肩の強さだ。チーム関係者は「今の根尾は京田の守備には及ばないけど、今からでも投手ができるぐらい根尾は肩が強い。遊撃をやっても三遊間の深い打球でもアウトにできるのが強み。このまま根尾が打って打って打ちまくれば、シーズンの終盤には京田に代わって遊撃を守っている可能性もあるかも」と指摘する。

 ヒーローとなった根尾について与田監督は「本当にいい形で打てたと思う。その後の凡打も形は良かった」と目を細めつつも、この日は結局、4打数1安打で打率は1割1分8厘とあって「どうしても周りからは数字のことを言われてしまうけど、それは1年間戦っていく上で、どういうふうにいい形にしていくか。使っているのは僕なので悪くても思い切ってやってくれればいい」と今後も起用し続ける方針だ。

 今後、右の大砲の福田や来日が遅れている新外国人のガーバーが合流すれば、外野手争いの激化は必至。それだけに京田の打撃の調子がずっと上向かないようなことがあれば、今季中にも根尾が遊撃レギュラーの座を奪ってしまう日が来るかもしれない。