広島・森下 大先輩マエケン直伝の魔球をあっさり…捨てていた!

2021年03月31日 06時15分

穏やかな顔をして…やることは「大胆」な広島・森下

 この男に2年目のジンクスはなさそうだ。広島・森下暢仁投手(23)が30日の阪神戦(マツダ)で6回無失点の好投をみせ今季初勝利を挙げた。冷静沈着な投球でピンチを乗り切ったが、昨オフに前田健太投手(32=ツインズ)から伝授された変化球すらもあっさりと〝捨てる〟決断をした右腕にチーム内からは驚きの声が上がっていた。


 3連勝で勢いに乗る阪神打線に森下が立ちはだかった。3回まで危なげない投球を見せると、4回の一死満塁のピンチではギアチェンジ。注目の佐藤輝をこの日最速の152キロで空振り三振に仕留めると、続く梅野を二ゴロに打ち取って無失点を継続した。

 6回を終えたところで代打を送られたが、右腕の好投に打線が奮起。菊池涼が先制打を放って勝利投手の権利を得ると、リリーフ陣が守り切って今季初勝利。お立ち台に上がった森下は「いろんな人に感謝の気持ちを持ちながら、初戦は絶対に勝つという気持ちでマウンドに上がった」と喜びを爆発させた。

 昨年12月に背番号18の先輩であるマエケンとの初対面が実現。さらに沖縄自主トレ中の1月には練習を一緒にする機会にも恵まれ、マエケンが武器とするスライダーとツーシームの握りを伝授されたという。2年目に向けて投球の幅を広げようと思案していた森下にとっては「勝っている投手のやっていることが見れてプラスになった」とこの上ない金言となった。

 しかし、その伝授された変化球をあっさり〝捨てる&改良〟してしまうところが森下の芯の強さでもある。キャンプ中のブルペン投球で短期間での習得が難しいと感じるやスライダーを断念。ツーシームはスプリット気味に握るオリジナルのものにガラリと変えてしまった。この日の登板でもツーシームはわずか1球にとどめ「それだけにこだわっているわけじゃないので…」。

 もともと将来を見据えた上での挑戦だったとはいえ、こうした大胆な方針転換にチーム関係者は「尊敬する選手から教えてもらったのならば『絶対に習得したい』と固執してもおかしくない。ただ、そこで無理をしてフォームを崩したり自分の投球を見失ってしまう場合もある。その点、早い段階であっさりと見切りを付けて自分の投球を貫く意思の強さと賢さはすごい」と目を丸くする。

「勝つことで優勝に近づいていく。これからもしっかりと自分の役割を果たしていけたら」という森下。今後もブレない心でチームを勝利に導くつもりだ。

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